
Neelapuらは、 再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫 (iNHL) の患者を対象に、 CD19標的CAR-T細胞療法アキシカブタゲン シロルユーセル (axi-cel、 商品名イエスカルタ) の長期有効性および安全性を海外多施設共同第Ⅱ相単群試験ZUMA-5の5年追跡調査で評価した。 その結果、 axi-celは高い奏効率と持続的な有効性を示し、 特に濾胞性リンパ腫 (FL) に対する根治的治療となる可能性が示唆された。 本研究はJ Clin Oncol誌において発表された。
再発・難治性FLに対するaxi-celの標準治療との比較による第III相無作為化比較試験ZUMA-22が開始されています。
第Ⅱ相ZUMA-5試験の主解析では、 axi-celによる独立中央判定の全奏効率 (ORR) が92%であり、 うち完全奏効 (CR) 率が74%であった¹⁾。 同試験の3年追跡調査では、 無増悪生存期間 (PFS) 中央値が40.2ヵ月、 全生存期間 (OS) 中央値が未到達であった²⁾。
そこで本研究では、 同試験の5年追跡調査でaxi-celによる根治的可能性を評価した。
再発・難治性のiNHL患者159例 (FL 127例、 辺縁帯リンパ腫31例) を対象として、 白血球アフェレーシス後にリンパ球除去化学療法を実施し、 axi-cel (2×10⁶ CAR-T細胞/kg) を投与した。
主要評価項目は独立中央判定によるORR、 副次評価項目はPFS、 OS、 奏効期間 (DoR) などであった。
追跡期間中央値64.6ヵ月におけるORRは90% (CR率 75%) であり、 DoR中央値は60.4ヵ月、 PFS中央値は62.2ヵ月であった。
OS中央値および次治療までの期間中央値は未到達であり、 データカットオフ時点で患者の55%が後続の治療を必要とせずに生存していた。
FL患者におけるリンパ腫特異的PFS中央値も未到達であり、 34%で病勢進行または死亡が報告された。 投与後30ヵ月以降の病勢進行またはリンパ腫関連死は稀であった。 遅発性毒性も稀であり、 ほとんどがaxi-celと関連がなかった。
FLにおける持続的な奏効および長期生存は、 初期のCAR-T細胞増殖とナイーブな製品表現型に関連していた。
著者らは 「axi-celは再発・難治性のiNHL患者において持続的な有効性と管理可能な安全性プロファイルを示し、 特にFLに対する根治的治療となる可能性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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