
Katsanosらは、 心房細動 (AF) 既往患者における左心耳 (LAA) 閉鎖について、 虚血性脳卒中サブタイプおよび転帰に与える影響を評価した。 その結果、 LAA閉鎖群では、 7日目または退院時のmRSスコア、 および脳卒中後30日死亡率が低下した。 また、 心原性塞栓症と推定される虚血性脳卒中の割合は、 標準治療群の57.9%に比べて、 LAA閉鎖群では42.9%と15%㌽低下していた。 試験結果はJAMA Neurol誌に発表された。
外科手技および手術時間は、 LAA閉鎖術群で人工心肺時間が5分延長した点を除けば、 両群で同様であったとのことです。
LAAOS Ⅲ試験において、 左心耳 (LAA) 閉鎖術は、 心房細動 (AF) の既往を有する患者の脳卒中リスクを大幅に低減した。 本研究は、 LAA閉鎖が脳梗塞のサブタイプおよび転帰に与える影響を評価することを目的とした。
本研究はLAAOS Ⅲ試験の事後探索的解析である。 対象は、 AFを有しCHA₂DS₂-VAScスコア2以上で、 他の疾患のために心臓手術を受ける患者とし、 標準治療に加えて外科的LAA閉鎖術を行う群と標準治療単独群に無作為化した。 主要評価項目は、 試験期間中に発生した脳卒中について、 修正Rankinスケール (mRS) による7日目または退院時の機能的転帰、 死亡率、 皮質梗塞の有無、 および心原性塞栓症と推定される梗塞の発生を評価した。
3.8年の追跡期間中、 4,811例中273例が脳梗塞を発症した。
LAA閉鎖群では、 7日目または退院時のmRSスコア、 脳卒中後30日死亡率が低下した。 加えてLAA閉鎖群では、 神経画像で皮質梗塞が少なく、 心原性塞栓症と推定される脳梗塞の割合も低かった。
LAA閉鎖群 vs 標準治療群
共通OR 0.80 (95%CI 0.65-0.99)
HR 0.55(95%CI 0.31-0.97)
差-15.2%㌽ (95%CI -26.7%㌽~-3.7%㌽)
差-15.1%㌽ (95%CI -26.5%㌽~-3.7%㌽)
著者らは、 「心臓手術を受けるAF患者においてLAA閉鎖は、 心原性塞栓症と推定される脳卒中リスク、 脳卒中による障害および死亡率を低減することが示された。 これらの知見は、 心臓手術を受けるAF患者へのLAA閉鎖の有益性を強調するものである」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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