
Liらは、 HER2標的の二重特異性ADC (抗体薬物複合体) であるTQB2102について、 HER2陽性乳癌に対する術前療法における有効性・安全性を第Ⅱ相試験にて検証した。 その結果、 投与量別に設定した4コホートにおいて、 総病理学的完全奏効 (tpCR) 率はそれぞれ57.7%、 76.9%、 61.5%、 69.2%を示し、 90%CIの下限が40%を超えたことから、 歴史的対照よりも有効性が高いと判断された。 試験結果はJCO誌に発表された。
コホートごとに登録時期や治療期間が異なるため、 イベント発生までの時間は原発手術から計測することが適切と判断され、 各コホートで同等の解釈が可能となるよう、 定義が修正されています。
本研究では、 HER2を標的とする二重特異性抗体薬物複合体 (ADC) であるTQB2102の、 HER2陽性乳癌に対する術前療法における有効性・安全性を評価した。
本試験は多施設共同非盲検第Ⅱ相無作為化比較試験であり、 HER2陽性のⅡ期およびⅢ期の患者を対象とした。 患者はホルモン受容体の状態で層別化され、 1:1:1:1で以下の4群に割り付けられた。
主要評価項目は、 4コホート全体における総病理学的完全奏効 (tpCR) 率とし、 90%CIの下限が40%を超えた場合に歴史的対照よりも有効性が高いと判断した。
各コホートに26例が割り付けられた。tpCR率について、 全コホートで90%CIの下限は40%を超えた。
tpCR率
(90%CI 43.2-71.3、 p=0.04)
(90%CI 62.3-87.6、 p<0.01)
(90%CI 46.5-74.8、 p=0.02)
(90%CI 54.6-81.3、 p<0.01)
グレード3以上の治療関連有害事象の発現率は、 コホート1で23.1%、 コホート2で30.8%、 コホート3で30.8%、 コホート4で26.9%であった。 治療関連死は認められなかった。
著者らは、 「本研究はHER2陽性乳癌に対する術前療法におけるHER2標的二重特異性ADCであるTQB2102の有効性と安全性を報告した初めての試験である。 TQB2102は強力な抗腫瘍活性を示し、 良好な忍容性を示した」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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