The projected increase of vertebral osteomyelitis in Germany implies a demanding challenge for future healthcare management of aging populations
研究デザイン
全国規模の後ろ向き観察研究ならびに予測モデリング
データソースと抽出基準
ドイツ連邦統計局の入院データベースから、 化膿性椎体炎を示すコード*が付与された入院症例を抽出。
対象期間
2005年~19年の入院記録を解析し、 2020年~40年の予測を実施。
解析モデル
最も高精度であったARIMA (自己回帰和分移動平均) モデルを用いて、 将来の罹患率と患者数を推定。
対象人口
性別および年齢別*に分類し、 予測は公式人口統計をベースに算出。
症例数、 発症率の推移
2005~19年における化膿性椎体炎の累計症例数は11万5,283例で、 年間の発症率は5.5/10万人から12.4/10万人に上昇した。
性差
男性の発症率は女性の1.4倍、 75歳以上に限ると1.6倍であった。
将来予測 (2040年)
全体の化膿性椎体炎の症例数は1万7,789例と予測された (2019年比 +72.6%)。
発症率は人口10万人あたり21.5件で、 男性26.7件、 女性16.4件となった。
85歳以上では症例数が128.6%増加と予測される一方、 75歳未満では29.7%の増加予測にとどまった。
部位別の発症予測
腰椎の化膿性椎体炎の罹患率の伸びが最大と予測された。
高齢化に伴い、 化膿性椎体炎の発症率・罹患数が今後20年間で大幅に増加することが予測されています。 これは、 整形外科・感染症診療の現場にとって重要な示唆を与える結果です。
高齢者では免疫抑制状態、 心疾患、 糖尿病、 透析などの基礎疾患が多く、 化膿性椎体炎の診断・治療がより複雑になる可能性があります。
化膿性椎体炎の罹患部位は腰椎が最も多いですが、 将来的にも腰椎の罹患率の伸びが最大と予測されています。 頻度の高い腰痛の背後に、 化膿性椎体炎が隠れていないか常に念頭に置くことが重要です。
特に、 高齢者や基礎疾患を有する患者の化膿性椎体炎に関して、 今後のさらなる知見の集積が望まれます。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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